スポーツブックのリスク回避

スポーツブックのリスク回避

どんな賭け事にもあると思いますが、スポーツブックにもリスクはあります。
そこでスポーツブックでのリスク回避方法について考えて見たいと思います。

いくつかの基本的なリスク回避方法として、まず第一に「賭ける金額の調節」があります。

賭け金額を調節する3つのコツは

  1. 賭け金額の元となる元本を全額賭けない
  2. はじめの入金額を少額にする
  3. キャッシュアウトを上手に使うです。

賭け金調節の話の前に、スポーツベット特有のシステム「キャッシュアウト」機能について説明します。キャッシュアウト機能とは、スポーツベットで自分の予想が外れ、試合の方向が変わってきた場合、早い段階で賭けた金額の何%とを取り戻せる機能で、この機能をうまく使うことができれば負けを少なく抑えることができます。試合を見ながら賭けれるスポーツベットならではの機能です。この機能はリスク回避3でも詳しく説明します。

ではリスク回避方法の「賭ける金額の調整」をひとつづつ説明していきます。

賭ける金額の調整

  1. 賭け金額の元となる元本を全額賭けない

    賭け金の元本を全額かけてしまず、少しずつ様子をみて賭けていくことをお勧めします。
    もちろん精神的にも全額ベットはプレッシャーが大きすぎ、また試合運びの雲行きが悪くなるとすぐにキャッシュアウト機能を使いたくなりがちで、少しでも損失を少なくしたいのは誰しもが考えることですが、これでは試合の途中で結果としてマイナスになってしまいます。ベットの理想は元本の70%から80%といわれています。

  2. 始めの入金を少額にする

    この方法も賭け金調節には有効です。ブックメーカーには入金制限がないため、ベットする人間の采配によります。多くの場合負けたときに、次のベットは前回よりも少なくとはならないものです。まずは始めの入金を少なくし、賭け金調節に慣れることをお勧めします。

  3. キャッシュアウトを上手に使う

    ベットした試合の勝敗が決まるまで、キャッシュアウトすることで賭け金の一部もしくはベット時のオッズ差の利益を上乗せした金額を返金することができるようになります。賭けた試合運びが負けそうになっているとき、キャッシュアウトは損失をできるだけ少なくできる方法です。キャッシュアウトで大切なことはどこで損切りをするかのタイミングです。ケース バイ ケースですが、一つの簡単な基準として、賭けた金額の半分を下回ったときにキャッシュアウトをつかうといいでしょう。

その他のリスク回避法

賭け金調節はリスク回避法の基本ですが、スポーツブックには多種多様なリスク回避法が紹介されています。ここではその他のリスク回避法をいくつか紹介します。

「本命–大穴バイアス(favorite–longshot bias)について

本命–大穴バイアス

金融やスポーツベットまたは競馬の世界ではよく知られている、本命–大穴バイアス(favorite–longshot bias)についてここでは説明します。本命–大穴バイアスとは当たる確率が極めて低い大穴への過剰な人気を指すものです。この人間の行動特性により、実際の期待値よりオッズが低くなります。

ブックメーカーは、提供しているゲームやマーケットでベットを受け付けます。このとき利益が出るようにオッズを調節しています。トゥルーオッズはブッキングでよく出てくる言葉で、ブックメーカーが利益を出す目的で、賭けの対象となっているゲームの実際の統計的確率を公平に表さないオッズのことを指します。ブックメーカーはこのトゥルーオッズで出る差を利益とします。

アービトラージ(Arbitrage)

スポーツブックをしたことがある人なら、必ず聞いたことがある「アビトラージ」。アビトラージとは為替取引でも良く使われるもので、裁定取引とスペイン語では表現しますアビトラージ取引とは、同じ価値を持つ商品の価格差を利用して、利鞘を稼ぐ取引のことをいいます。さて、このアビトラージをスポーツブックで使うとはどういうことでしょう。

スポーツブックで使うアビトラージでは二つまたは三つの異なったブックメーカーで賭けます。ではしたに例をあげてみましょう。オッズ(倍率)はわかりやすいように⚪倍と表しています(実際のスポーツブックでは表示方法が違います)。

アービトラージ

出典:https://okane-kamisama.com/blog/arbitrage/

サッカーの試合でブラジル代表対スペインの試合があったとします。
AとBという二つのブックメーカーがそれぞれ次のオッズを出しているとします。
ブックメーカーA: ブラジルの勝ち 1.50倍 | スペインの勝ち 3.4倍
ブックメーカーB: ブラジルの勝ち 1.25倍 | スペインの勝ち 4.2倍

あなたは
ブックメーカーAにてブラジルが勝つ方に100ドル
ブックメーカーBにてスペインが勝つ方に35.7ドル

このAB二つのブックメーカーに同時に賭けたとします。 (現在の両方の賭け金合計は135.7ドルです)

この場合、ブラジルが勝てばブックメーカーAから150ドルを獲得 (100×1.5倍)
スペインが勝てばブックメーカーBから、やはり150ドルを獲得 (35.7×4.2倍)
これですと、どちらのチームが勝っても150-135.7=14.3ドル獲得することになります。
引き分けた場合は、賭け金が払い戻されます(引き分けのないオッズの場合)。

この方法は「2way (両建て)」と呼ばれるもので、ブックメーカーでのアービトラージの基本です。

ではブックメーカーで良く使われる「3way (三建て)」の方法です。

同じ試合で、他のブックメーカーでは、勝ち、負け、引き分けの賭けがあり、オッズは次のようだとします。

ブックメーカーC: ブラジル 1.50倍 | スペイン3.4倍 | 引き分け 5.0倍
ブックメーカーD: ブラジル 1.25倍 | スペイン4.2倍 | 引き分け 4.5倍
ブックメーカーE: ブラジル 2.10倍 | スペイン2.8倍 | 引き分け 3.5倍

さてここで
ブックメーカーCで、引き分けに50ドル
ブックメーカーDで、スペインに60ドル
ブックメーカーEで、ブラジルに120ドル
をそれぞれ賭けます。賭け金は、50+60+120で計230ドルです。

この場合
ブラジルが勝った場合、ブックメーカーEの配当が252ドル(120×2.1倍)で、252-230=22ドル獲得

スペインが勝った場合、ブックメーカーDの配当が252ドル(60×4.2倍)で、252-230=22ドル22ドル獲得。

引き分けの場合は、ブックメーカーCの配当が250ドル(50×5倍)で、250-230=20ドル獲得

このように、「三建て」は、「勝ち」「負け」「引き分け」のいずれにおいても賞金を得る方法です。

この2つの賭け方を行って、利益を出していくのがブックメーカーアービトラージと呼ばれる方法です。

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